堤防 bank

 
 

 

 

 
 
 
 
 
 
 
 堤防 bank
 
  
それはどこまでも繋がる白いラインの様に視えた。
その白い線は全てを破壊し奪いつくし去っていった。
誰も忘れることの出来ない記憶。
 
それは絶望的に思われたが、平らになった土地にも草が生えた。
木を倒し、山を削り、沢山の土を盛り上げて新しい土地を作り上げた。
新しい記憶。
 
海から見ると河岸線沿いにコンクリートでできた白い線が続いていた。
遠くから見るととても細く頼りない線にも見える。
千年先にも伝えたい記憶。
 
 
大山友輝朗