穴 hole

 
 
 

 

 

 
 
 
 
 
穴 hole
 
すべてはその形を奪われ平らになっていく。
 
3世紀中頃から7世紀にかけて、日本には古墳時代と呼ばれる時期がありました。古墳はこの時代に作られた墳墓のことを示しています。
今でも日本中に沢山の古墳があり、身近に観ることもできます。
現在では人が立ち入り出来ない様に守られているものから、その形を全て失い、わずかな痕跡も感じることの出来ないものまで様々あります。
 
残された装飾品や制作方法などにより大まかな概要が把握されているようなものもありますが、詳しいことは解っていない様です。 
わたしが撮影してきた古墳もどの様な背景で作られたのかは解りません。
強い思いで人が作り上げたものが、長い時間の経過のなかで削りとられ、その形だけではなく、意図やそれぞれの思いまでも失われていて、近付き詳細を知ろうとしても、おぼろ気で曖昧にしかとらえられません。
しかしその積み重ねてきた時間は様々な表情を作り私に語りかけてきます。
        
今回の撮影は曖昧なところは曖昧なままに表す方法としてピンホールカメラを用いました。離れて見ると概要がみえるが、近付き確認しようとしても曖昧な線だけがみえる。
ピンホールの特性が作品鑑賞の良い距離感を作ってくれます。
この距離感こそが古墳との距離感だと私は思っています。
 
大山友輝朗